2023年2月10日金曜日

力学《42節》ポアソンの括弧式

【力学】
【第7章】正準方程式
《第42節》ポアソンの括弧式
 先ずは、以下の参考サイトのポアソンの括弧式{H,X}の説明を参考にする。参考サイトのポアソンの括弧式{H,X}は、ランダウの定義する括弧式{XH}とは記号の順番が逆になっているので注意。
 括弧式の導入(ここをクリックした先のサイト)
 ハミルトニアンを使う利点がどういうところにあるかという部分を説明するために,ちょっと便利な表現を導入することにしよう.


 正準方程式の別表現(ここの説明は良くわからない)
 物理量Xとしては何を当てはめてもいいのだが,もっとも単純なものとして,例えばqiを以下のXという関数にあてはめる。


 括弧式の使い道
 面倒なので,物理量X(qi とpi の関数であらわされる)が時間tを直接含まない場合を例に挙げて説明しよう.この場合,


であるので,ある時刻tから微小時間dtだけ経過した後の物理量Xの値は次のように表せることになる.

これを繰り返すことで原理的には物理量Xの時間経過による変化を追いかけることが出来るはずである.物理学者は格好つけてるのか面倒くさいのか知らないが,この「時間経過による変化」という表現を使う代わりに「時間発展」という用語を使うことが多い.例えば,「ポアッソン括弧式にハミルトニアンを当てはめることで物理量Xの時間発展を記述することが出来る」という具合に使うわけだ.
 まぁ実はこれは「time development」という英語の表現を直訳してしまったためにそういう聞きなれない表現になっているのである.量子力学でハミルトニアンのことを「時間発展の生成演算子」と呼ぶことがあるのはこういう事情である.

《「力学」42節での説明》
 参考サイトのこれ以降の説明については、ランダウ「力学」42節の説明の方が明確なので、以下では「力学」42節の説明を記載する。以下での、ランダウの定義する括弧式{XH}は、参考サイトとは記号の順番が逆になっているので注意のこと。

 f(p,q,t)を、座標、運動量および時間の、ある関数とする。それの時間についての完全導関数をつくる:

ここで、以下の記号を導入した。

表式(42.2)は、量Hとfに対するポアッソンの括弧式とよばれる。

 任意の1対の量fとgに対しても、ポアッソンの括弧式は(42.2)と同様に定義される:


 関数fあるいはgのうち1つが、運動量あるいは座標のうちの1つと一致しているときには、ポアッソンの括弧式は単に偏導関数になる。



【リンク】
pdf 古典力学 (解析力学)
東京大学数理物理学班「古典力学」
「高校物理の目次」


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