2022年11月4日金曜日

ランダウ・リフシッツの「場の古典論」場の4元ポテンシャル

相対論的ラグランジュアン
電磁場テンソル


【場の古典論】
【第3章】場のなかの電荷
《第16節》場の4元ポテンシャル
 与えられた電磁場のなかで運動する粒子に対する作用積分は、自由粒子の作用の項と、粒子の電磁場との相互作用の項との2つの部分からなっている。粒子の電磁場との相互作用を記述する項は、粒子を特徴づける量と、電磁場を特徴づける量との両方を含むはずである。
 電磁場との相互作用に関する粒子の性質は、粒子の電荷eと呼ばれるただ1つのパラメーターで規定される。それは正あるいは負の値をとりうる。粒子に作用する電磁場の性質は4元ポテンシャルと呼ばれる4元ベクトルAiによって特徴づけられる。その成分は3次元座標と時間の関数である。上付き添え字であらわした反変ベクトルが4元ポテンシャルである。次の行に下付き添え字であらわしたベクトルは、そのベクトルに共役な共変ベクトルである。

 粒子の電磁場との相互作用を記述する項は、電磁場を特徴づける4元ポテンシャルAiと、粒子を特徴づける3次元座標と時間との4元ベクトルとを含むはずである。その2つの4元ベクトルを含む、ローレンツ変換に対して不変なスカラー量は、電磁場の4元ポテンシャルと、粒子の座標の4元ベクトルの微分との内積である。そのスカラー量が、以下形の式の、粒子の電磁場との相互作用の項になる。

 こうして、電磁場のなかの粒子の作用積分Sの形は以下の式であらわされる。

電磁場の4元ポテンシャルAiの3つの空間成分は、場のベクトルポテンシャルと呼ばれる3次元ベクトルAを作る。4元ポテンシャルAiの時間成分は、A0=Φであり、Φは場のスカラーポテンシャルである。したがって作用積分は以下の式で書くことができる。

さらに、粒子の速度をvとすれば、dr/dt=v であるから、作用積分は以下の式になる。

よって、粒子の電磁場との相互作用の項を加えたラグランジュアンは以下の式になる。


《第17節》場のなかの粒子の運動方程式
 ランダウの教科書「力学」の第2節に記載されているラグランジュ方程式は以下の式である。

これを、具体的に計算すると、以下の式になる。


ここで、以下の関係が成り立つ。

こうして、電磁場のなかでの電荷の運動方程式が得られた。

【リンク】
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