2022年11月6日日曜日

「場の古典論」電磁場テンソル

場の4元ポテンシャル
電磁場のラグランジュアン


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▷運動する電荷のまわりの電界
▷(電荷が増減して見える?)

【場の古典論】
【第3章】場のなかの電荷
《第23節》電磁場テンソル
 この節では、以下の、4次元的な形に書かれた作用積分:

から直接に、電磁場のなかの粒子の運動方程式を導く。
この作用積分に最小作用の原理を適用する。 

これに、以下の、ローレンツ変換に対して不変なスカラーの微分の式を適用する。

この式を使って上式を以下のように変形する。

ここで、第1項に以下の式を代入する。

uiは4元速度の成分である。

そして、被積分関数のなかの項を部分積分すると以下の式になる。

ここで、変分では両端の値がが固定されていて変わらないことを使って式を変形した。さらに、

を使う。

さらに、第3項の添え字のi とk を入れ替える。

δⅹiがどのように変わっても被積分関数が0にならなければならない。そのため以下の式が成り立つ。

そこで、

という記号を導入する。テンソルFikは、ローレンツ変換によって4元ベクトルの積(内積ではない)のように変換される4元テンソルである。
1つずつ計算していくと、以下のように計算できる。


4元テンソルFikの計算結果をまとめると、以下の行列になる。

この4元テンソルは電磁場テンソルと呼ばれる。それを使うと上記の運動方程式は以下の式になる。

この式の添え字 i が0から3の4つの方程式が電磁場の中の電荷の4元的な運動方程式である。
この式に、第9節で以下の式で与えられた力fの式を適用して係数だけ変えれば粒子に働く力fが計算できる。



《第24節》電磁場のローレンツ変換
 4元テンソルは、ローレンツ変換によって、動径4元ベクトルの積のように変換される。そのため、慣性基準系の静止系K(ct,x,y,z)とそれに対してx軸方向へ速度vで運動している慣性基準系K'(ct',x',y',z')の間では、電磁場テンソルの各成分が以下のようにローレンツ変換される。

この電磁場のローレンツ変換が分かったことで、粒子が電磁場から受ける力がローレンツ変換によってどのように変わるかが精密にわかるようになった。

《運動する電荷のまわりの電界》
 この電磁場のローレンツ変換によって、静止系Kにおいて静止している電荷qの時刻t=0の世界点A(0,y,0)と世界点B(x,0,0)における電磁場は、速度vで運動する慣性基準系K’では以下の図のように変換される。すなわち、世界点Aと世界点B(慣性基準系K’では静止系Kの場合よりも原点からの距離が短くなる)では、下図の強さの電磁場にローレンツ変換されて観測される。

(上図の電束の形は電荷が一定速度で運動する場合の形である。電荷の速度ベクトルが絶えず変わる場合は電束の形が上図とは異なると思う)。

(物理的意味を考える:電荷が増減して見える?)
 静止系Kで正と負の電荷が回転してい粒子対(電荷の総量が0)を考える。その粒子対は、慣性基準系K’では、下図の右から左の順に推移して回転する。

 慣性基準系K’で、その粒子対(電荷の総量が0)をある方向から観測すると、その観測点に至る各粒子からの電束の形が、上図の電束の形のように、粒子毎に異なって見えると考える。そうなると、その観測点に至る各粒子の電束が互いに打ち消されない。その結果、その観測点では、その電荷の対が、回転に伴って、(0ではない)電荷を増減するように見えるのではないか?

《第25節》場の不変量
 25節では、電磁場テンソルで作られる以下の2つの量が、ローレンツ変換で不変であり、場の不変量であることが示されている。

この計算に利用する行列
εiklm は、エディントンのイプシロンと呼ばれる。
(正しくは、擬テンソルと呼ばれる)
この行列の添え字が同じ数でない場合の、

ε0123=1,
ε1023=-1
であり、添え字が同じ数になる、
ε1123ε2230=0
である。
(ただし、添え字の上付きテンソルと下付きテンソルは符号が異なり:

である)
  この擬テンソルを使ってあらわした2つ目の場の不変量は擬スカラーである。
《擬スカラー》
 擬スカラー とは、座標系の取り方を右手系⇔左手系と変えると,その符号を変えるスカラーのことである。


【リンク】
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