2022年11月2日水曜日

ランダウ・リフシッツの「力学」一般運動量

  最小作用の原理
  4元ベクトル

《一般運動量》
 相対性理論の場合にも通用する一般運動量の概念を、ランダウ・リフシッツの「力学」の第7節から学べます。

【力学】
【第2章】保存法則
《第7節》運動量
 第6節では、ラグランジュアンL(q,q',t)が時間tにあらわに依存する関数で無ければ、エネルギー保存の法則が導き出されることを学んだ。第7節では、運動量保存の法則を導き出す。ラグランジュアンL(q,q',t)の関数が一般座標qにあらわに依存しなければ、オイラー・ラグランジュの方程式を使って(一般)運動量保存の法則が導き出される。
《注意》保存量の導出の根本的な原理はネーターの定理である。ネーターの定理の条件を満足する1つの場合が、ラグランジュアンの関数Lが一般座標qにあらわに依存しない場合である。

運動量(一般運動量)は、ラグランジュアンLを一般速度q'で偏微分した以下の式pで表される。極座標の角度θを一般座標qにした場合は、一般運動量は角運動量である。
 この一般運動量の時間微分が力Fである。力FはラグランジュアンLの一般座標による偏微分であらわされるので、ラグランジュアンLが一般座標qにあらわに依存しなければ、力Fが0になる。そして、一般運動量が時間によって変化せず、保存される。

ここで、力Fは、以下の式のようにポテンシャルエネルギーUの偏微分であらわされる。その式は、その力Fをラグジュアンの偏微分で表す式とは符号が逆である。そのため、ラグランジュアンLは運動エネルギーTからポテンシャルエネルギーUを引き算した式であらわす必要がある。


《解析力学から「場の古典論」までを理解する助けになる参考書》
 EMANの物理学 から学ぶのが良いと思う。
 ランダウの「力学」の§7以降は比較的スムーズに読めるかもしれない。「力学」の次に「場の古典論」を読むためには、情報収集を急がず時間的に余裕があれば、「力学」の§40~§47も読んでおいた方が「場の古典論」の理解の助けになり良いと思う(独楽が大好きな人以外は、「力学」の§33~§39は読まずに§40に進んでも良いと思う)。

▷相対性原理を基礎に据えたランダウ・リフシッツの「力学」から「場の古典論」最小作用の原理
▷ランダウ・リフシッツの「力学」一般運動量
▷力学《40節》ハミルトン方程式
▷力学《42節》ポアソンの括弧式
▷力学《43節》座標の関数としての作用
▷力学《44節》モーペルテュイの原理
▷力学《45節》正準変換
▷力学《46節》リウヴィルの定理
▷力学《47節》ハミルトン=ヤコービの方程式
▷相対性原理と電磁気学の教科書のランダウ・リフシッツの「場の古典論」4元ベクトル
▷場の古典論《6節後段》テンソル解析の公式集
▷ランダウ・リフシッツの「場の古典論」相対論的ラグランジュアン
▷場の古典論《9節》エネルギーと運動量
▷場の古典論《14節 角運動量》の考察
▷ランダウ・リフシッツの「場の古典論」場の4元ポテンシャル
▷「場の古典論」電磁場テンソル
▷「場の古典論」電磁場のラグランジュアン
▷「場の古典論」マックスウェルの方程式の第2の組
▷場の古典論《32節》エネルギー・運動量テンソル

【リンク】
「高校物理の目次」


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