2013年2月10日日曜日

単振動の問題

「高校物理の発想の基本」
大学の物理の入学試験は、学生が大学に入学した後、もっと高度な物理の授業を聞く事に耐えられるか、不幸にならないかを調べるのが本来の目的だったと考えます。
 そのため、入学試験は、
学生が、しっかり自分というものを知っている大人の場合は、
「あなたは、物理の授業を聞きたいですか。物理が嫌いでは無いですか?」
と聞いて、
学生が、
「ハイ。私は物理を学ぶのが嫌いではありません。」
と答えられれば、合格にして良いと考えます。

 この場合の問題は、学生が少し教わってきたことが「物理」だったのか、
ということと、
学生が大人であるか(これは、はなはだ怪しい)、
 が確認されなければ、そのやり方ではダメと思います。

 そのため、物理好きな人が習得していることが多い技術を学生が持っているかを試験問題という形でテストするのだと思います。

【物理好きな人が習得していることが多い技術(その1)】
 物理でいつも出てくる微分方程式の解は何度も問題を解く人は覚えてしまいます。
問題を解くときは、微分方程式を解かず、覚えている解を問題のパラメータに合わせて、
解を作り上げます。その方が、時間を節約できます。
 例えば、以下の問題の解き方のように、問題を解きます。

【問1】
 以下の図のように、バネ定数kのバネにつるされた質量mの物体mが、z=0の位置で釣り合っています。z座標は下側に取ります。
 ここで、この物体mは電荷qも持っていて、下向きの強さEの電界Eがこの物体に加えられたとき、この物体mの運動を調べなさい。

 ここで、この物体には、重力Fと、電界Eによる下向きの力Fと、バネが上に引き上げる力Fとがかかっています。それらの条件を使って問題を解きます。ここで、これらの条件の1つを間違えることが多いです。例えば、バネが上に引き上げる力Fには、バネが物体mを静止させているときはmgの力も加えられていますが、最初は、この条件を忘れて問題を解き始めて、後で気づくというようなことが良くあります。
 そのような場合は、途中まで解いていた問題を後戻りして解き方を修正する対応が必要になります。
 そのとき、問題の解き方に、微分方程式を解く作業があったりすると、解をやりなおすのがわずらわしいです。それで、そういうことに懲りた人は、微分方程式の解の形はおぼえてしまって、速やかに解を作り上げる技術を習得します。

 以下では、そのようにして問題を解いていきます。

 まず、以下の式の微分方程式1を作り、それを変形して式2を作ります。そして、覚えていた式3を持ち出します。

 次に、以下のようにして、この式3のパラメータを問題が与えるパラメータに合わせる計算をします。
 物体の運動は、時間と速度と位置座標とを与えることで定まります。そのため、位置座標と速度はいつも一緒にして考えることが大切です。
 問題の与えるパラメータを使って式3のパラメータを定めた式13と14を求めたら、あとは、その式のあらわす、典型的な状況を以下のようにもとめます。 


 以上で解答作業がおわりです。


【リンク】
「高校物理の目次」

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