2013年2月5日火曜日

回転する磁場中の電荷に加わる力

 
 
【問】
 下の図のように回転する棒の、回転中心から半径rの位置に固定された電荷qがあります。

以下の図のように、この棒と一緒に回転して棒が静止して見える観測者から見て、棒に固定された電荷qに電磁界から加わる力をもとめなさい。
【解答】
 上の図のように棒が静止しているようにみえるとき、磁界が運動しているように見えます。上図に書いた座標系のように、z方向に速度Vで運動する磁界Hは電界Eを発生します。発生する電界がx方向の場合、磁界の方向がy方向で、磁界の運動方向がz方向に対応します。
 そして、上式のように、速度V=ωrを使った大きさの電界Eが、回転の中心から遠ざかる方向に加わります。そこにある電荷qには、回転の中心から遠ざかる方向の力が、
qωrμH
の大きさで加わります。

【別解】
 この問題は、棒といっしょに回転する観測者になって力を観測しないでも、ローレンツ力の法則を使って解けます。(そのようにして解く方が普通の解き方でもあります。)

 すなわち、上図のように、電荷qと速度Vの積のベクトルをx方向に対応させ、磁場Hの方向をy方向にし、運動する電荷に働く力の方向をz方向にした座標系を使って、ローレンツ力の方向がわかります。
 電荷qと速度Vのベクトルの積の方向をx方向にします。また、磁界の方向(紙面から手前に向く方向)をy方向とします。その座標系のz方向を、ローレンツ力Fに対応させます。
 そうすると、ローレンツ力Fの方向は、回転中心から遠ざかる方向になります。
 それで、電荷qには、その回転中心から遠ざかる方向に、大きさが
qωrμH
のローレンツ力が加わります。

 物体に加わる力は、別の速度(あるいは加速度)で運動している運動座標系で観測しても、同じ力になります。
 そのため、棒といっしょに回転運動している観測者が観察しても、 このローレンツ力と同じ大きさの力が電荷qに加わることが、観測できます。


【リンク】
「高校物理の目次」

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