「高校物理の発想の基本」
コイルのインダクタンスの式をおぼえるのが大変な人は、以下のように導くと良い。
下図のようにコイルのインダクタンスLのエネルギーの式と、単位体積あたりの磁場のエネルギーの式をおぼえておいて、下図のように計算して対応付けます。
単位体積あたりの磁場のエネルギーの式は上の式で、磁場Hの2乗に比例します。
それに磁場の存在する体積SYを掛け算すると全磁場のエネルギーが得られます。
コイルの蓄積するエネルギーは、下の式1のように、コイルのインダクタンスLであらわせます。
その式1のエネルギーは、その右辺のあらわす全磁場のエネルギーと等しいです。
両辺が等しいので、右辺を計算していけば、左辺があらわすコイルのインダクタンスLをあらわす式が得られます。
コイルの磁場Hは、コイルの単位長さあたりの電流密度i。
を式1の右辺に代入して、以下のように計算します。
この式を式1の左辺と比較すると、式1の左辺のインダクタンスLが得られます。
なお、コイルの断面Sを横切る磁束をΦとすると、
N巻コイルは、
電圧=LdI/dtがdΦ/dtのN倍
になります。
(注意)
以上で説明したのは、巻き数Nが多く長さYが√Sに比べて長いコイルのインダクタンスLを与える式です。
コイルの巻き数が数巻き程度で小さい場合は、コイルのインダクタンスLは、コイルの導線の太さが小さいほど大きくなり、導線の太さによってインダクタンスLが変わります。
また、巻き数Nが小さいコイルは、インダクタンスLは、巻き数Nが増すと、
(1)コイルの間隔がコイルの導線の太さ程度でコイルの導線が密集している場合は、おおむね、1巻きコイルのインダクタンスのN2倍程度に増加します。
(2)コイルの間隔がコイルの導線の太さより大きいと、そのインダクタンスLが、おおむね、 1巻きコイルのインダクタンスのN倍程度に増加します。
(3)そして、コイルの長さYが長くなるにつれて、インダクタンスLが、1巻きコイルのN2倍よりは小さくなって、多数巻きコイルのインダクタンスLの式に従うようになります。
【リンク】
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